『野菜を、喰らう』
ものすごく読み応えのある本です!!
「食」に興味のある方にはぜひ読んでいただきたい本です。
「食」なら 「食べる」 ことでも
「(野菜に限らず)食材を生産する」 ことでも
「料理する」ことでも
「輸入」することでも
何でもです。
何かしら得るものがあると思います。
てっきり 「食材図典」(←これも好きです)のように
色んな野菜の情報がつまった本の類だと思っていましたが
まったく違ってました。
これは完全に 「読みもの」 です。
様々な野菜にまつわるエピソードが満載で
エッセイを読んでいる感じ。
戦前は "プロ仕様" とされていた洋菜が
日本で栽培されるようになったり
家庭の食卓に登場するようになるまでの歴史のような
ものも読み取れます。
かと思えば、美味しい食べ方や調理の仕方、
例えばわさびのおろし方や食べるタイミングなど
「食」をより楽しむためのコツも書かれてます。
そしてレシピも。
どうやって使ったらよいのか分からない
見慣れない野菜の調理法が載っているのもありがたい。
以前、近所の八百屋のおじさんに
褐色化した古いカリフラワーを見せられて
「安くしとくよ!!」 と言われ
「茶色くなってるからいいや」 と答えると
「あ、これね。茹でるときにお酢をいれると白くなるよ!!」 と
言われてがっかりしたことがあります。
その八百屋さんは
「仕入れて」「売って」が生業の全てで、
たまたま仕入れるものが 「野菜」 だったというだけで
決して 「野菜」 を美味しく食べてもらいたい
という気持ちを持っているわけでも
自分のお店で売っている「野菜」に
自信や誇りを持っているわけでは
ないんだなと。
こんな体験があったからなのか
「おいしゅうございます」で有名な岸朝子さんらに
「野菜の神様」と呼ばれた「伝説のおやじ」の、
「野菜」の「生産(タネの輸入から収穫のタイミングまで!!)」や
「調理」や「味付け」「盛りつけ」への
こだわりや熱意に何度も感動しました。
食べることが好き、
ということがすべての基本、
ですかね?!